福岡高等裁判所 昭和27年(う)351号 判決
被告人の本件覚せい剤注射液四本及び麻薬一六〇瓱の所持の態様について調査して見るのに、前者は被告人の着衣ズボンの前ポケツト内に、後者は同じく被告人の着衣背広の内側ポケツト内に納め昭和二六年九月一一日午前二時頃、福岡市下比恵堅粕橋西側道路上を通行していたものであること、記録上明白であり、右のような覚せい剤及び麻薬に対する被告人の事実的支配の関係は、それぞれ別箇独立の二箇のものでなく単純一箇のものと観察するのが一般社会生活における常識であり、従つて、法律上の所持の関係も単一の所持であると解するのが相当である。原判決が、これを二箇の所持とし、刑法併合罪の規定を適用し、併合加重を施した刑期の範囲内において刑を量定したのは、畢竟、法律の適用を誤まつた違法がある。
(後略)